ゲーム制作は承認欲求を満たす道具ではない

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最近、こんなツイートを見かけた。

 

 

「え、そうなの?」ってのが僕の第一印象だった。確かにゲーム制作は大変だし、気を病むこともあるんだけど、地獄と思ったことはないし「プレイしたほうが楽」なんて理屈でエターなったこともない。

勘違いされないために先に言っておくと、別に「俺これぐらいヨユーなんだけど? なにお前ら、こんなことで苦労してんの?」という自慢をしたいわけではない。じゃあ何なのかと言うと、

 

好きだからゲーム作ってんじゃないの? そんなに苦しいならやめなよ

 

ってこと。

 

ツクラーってのは、ツクールを用いてゲームを作る人のことである。作品の大多数は商用ではなく、趣味で作っている完全無料のゲームだ。

仕事ならまだしも、趣味で、好きでやっているはずのことに地獄のような苦しみを抱く必要は全く無い。

 

 

違うもので例えるのは詭弁の常套手段なのだが、実際こういうことである。ゲーム制作、好きじゃないの? そりゃ中には辛く苦しい作業も待ち受けるが、それでも僕はゲームを作るのが楽しいし、出来上がったゲームが公開されて誰かに遊んでもらえるのが嬉しい。そういう人は、僕以外にもいるよね……? あれ? こう思ってるの僕だけで、もしかしてみんなゲームを作るのは地獄のような苦行なの?

そうじゃないことを信じつつ話を進めるが、数日後、彼が呟いた別のツイートで、答えがなんとなく分かった。

 

 

 

さすがにこれはネタだと思いたい。そう言ってくれ。だが残念なことに、共感しているツクラーが一定数いた。

察するに彼らは、僕が示した後半部分だけを噛み締めたいのだ。つまり、出来上がったゲームが褒めてもらえるのが嬉しい。もっと端的に言うと「何よりもまず褒められたい」のだ。だから、1つ目のツイートのような戯言が出てくる。

 

あのさ、褒めてほしいだけなら他にもいろいろあるよね? なにもゲーム制作に固執する必要はない。

ならば彼らはなぜゲームを作っているのか。僕のようにスクールカースト最底辺まで落っこちて、勉強もスポーツもできない劣等生が、唯一自分に備わっているスキルがゲーム制作だと信じてしがみついているのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。僕には検討もつかない。

 

 

別の人はこうも呟いている。

 

 

 

この人の場合、こういうネタをひっきりなしに呟くので本気かどうか怪しいが、これに本気で「それな」「わかる」と共感する人の多いこと多いこと……。

 

言っておくが、仮にそれが実現したとして、あなたが評価されることはない。

凡人のあなたが労せずできるということは、他の無数の凡人にもできるということ。

ツクールを持っている人は、少し想像してみてほしい。新規プロジェクトを立ち上げると、草原か海に主人公たちが放り出された状態でスタートする。それをそのまま配布すれば、海や草原を味わえる雰囲気ゲームの完成だし、エンカウントするイベントを配置すれば戦闘ゲームの完成だ。

 

ではそれを配布したところで、評価されるだろうか。されるわけがない。そんなものは、誰にでも作れるからだ。

簡単に、苦労せずふわっと完成させられる世の中になったとして、すでにそれは誰にでもできるものとして何百もの作品で溢れかえっている。

技術が進歩したところで、「当たり前」のハードルが上がるだけで、結局そこから一歩抜け出さない限り、褒められることなんてない。

その一歩とは、常人には思いつかないアイデアであったり、他の人がやりたがらないレベルでの努力であったり、才能であったり様々だが、いずれにせよ楽なものではない。

 

 

 

 

反論もあるだろう。「承認欲求を糧にゲームを作っている人もいる」と。

それは大いにある。僕だって褒められたら嬉しい。だが、そうであっても、ゲームを作ること自体を楽しめないんなら、やめてしまえという話をしている。

 

なにが地獄のように大変だ。誰も地獄へ落ちることを強制していない。

結局のところ、褒められたい一心が先に出るからこそ、Twitterでセンセーショナルなことを言ってリツイート稼ぎに腐心するのかもしれない。

そういう人、少なくともTwitterにはとても多い。

 

というか、僕もTwitterでの発現頻度は多いクチだ。

それは、同じ志を持った創作者を見つけるためであるとか、自作ゲームの宣伝のためであるとか、そんな理由からなのだが、これからは頻度を少なくすることにした。

承認欲求をこじらせた阿呆が多いからだ。皆、自分のゲームを遊んでほしいがために群れあって、遊びもしないのに他人のゲームを褒めあい、DL数伸びないね~と傷の舐め合いに明け暮れる。

 

はっきり言って気持ち悪い。好きで作っている身からすると、「褒めて褒めて!」というゲロカスな輪に「ツクラー」という主語でくくられて一緒くたにされるのは非常に不名誉極まりない。

 

 

さて、前回の記事でお伝えしたが、僕はここ2年ほどブランクに苛まれていた。

僕とて、他人をどうこう言えるほど立派なことは何一つしていない。作りもしないで批判に明け暮れるだけのビッグマウスだ。

だからこそ変わりたいのだ。そう思っているさなかに、これらのツイート群である。目の毒なんてレベルじゃない。

作らずして評価されたいなら、無断転載でもしてリツイートを稼いでいればいいのではないだろうか。

 

一応言うと、これは特定個人を貶める記事ではない。記事内でも「彼ら」という主語を用いた。例に挙げる人物が偏ってしまっただけ。いちいち検索して引っ張り出していたら、もっと不愉快なツイートを目にしてしまうので、ご了承願いたい。

 

ゲーム制作は承認欲求を満たす道具ではない。

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