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発売してから一週間。すでに50時間以上やりこんでいるプロモノノフの吾輩が、討鬼伝2の良いところも悪いところも全てひん剥いてしんぜよう。

プロモノノフって言葉、初めて聞いたわ……。

オープンワールド

討鬼伝2の追加要素で1番目を引くのは、なんといってもオープンワールドだろう。

元々は共闘タイトルの1つとして、モンハンライクな狩りゲーだったもんね。

一応、ストーリーもクリアしてほぼ全エリアを踏破したので、実際に触った感想を細かく書いていこう。

良い点:過去シリーズでは味わえない、自由気ままな冒険感

目的もなくダラダラ歩みを進めると、色々な鬼と会敵する。無視してもいいし、倒してもいい。この、アテのない散歩から気まぐれに戦闘へスムーズに移行できる気楽さは、今までのシリーズでは味わえない楽しさだ。

この戦闘、ただ敵と遭遇するだけに留まらず、すでに他のモノノフが鬼と戦っているケースもあり、見かけた自分が加勢する形で参加することもできる。オープンワールドならではの臨場感といえるだろう。

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▲戦闘中のモノノフと遭遇すると、共同作戦が開始。助けるとしばらくの間、一緒に戦ってくれるようになる。他プレイヤーの分身がNPCとして戦っている場合もあり、その時は人別札も貰える。

ストーリーも全てオープンワールドになったので、例えば拠点の里に鬼が押し寄せた!みたいな展開になると、本当に里の目の前で攻防戦をすることもある。つーか里の中で戦うことすらあるぞ。

そりゃすごい。前作より臨場感が増したね。

ちなみに、前作までのマップは全て廃止された。「安」「雅」「戦」など、領域ごとに特徴的な景色に変わるのは相変わらずなので、そこはご心配なく。

新鮮な気持ちで探索を楽しめるわけね。

悪い点:密度がなく、薄味で単調

良い点で褒めはしたものの、ぶっちゃけ討鬼伝2のオープンワールドは微妙である。

まず、探索要素の薄さ。行った先々でドラマが起きることがなく、せいぜい行き止まりに鬼がいるのが関の山。工夫しているのは分かるが、そのどれもが味気なく、好奇心を刺激する探索にはなりえていない。

例えば、ドラゴンズドグマ(オンラインじゃないほう)なら、

・坂の上から盗賊が岩を転がしてきて、この野郎ふざけるなと登って倒そうとしたら、思ってたより強くて返り討ちにあった
・せまい谷底を進んでいたら、上のほうから複数人に弓で狙撃された
・森の奥で神秘的な泉を見つけ、そこで貴重な水を持ち帰って回復薬を作れた

といった感じで、そこでしか味わえないアクシデントないしは感動が、絶妙なバランスで散りばめられていた。討鬼伝2には、そのようなドラマが一切ない。ダラダラ歩いて、収集要素を見つけるか敵と出会うかだけ。マップ構成もいまいち物足りず、道や広場を薄っぺらく引き伸ばしただけで、各エリアがあまり記憶に残らないのが正直なところ。

いつもの毒舌っぷりが戻ってまいりましたね。

ウソは書いてないからな。

他にも、今作から追加された「瘴気」というシステムも裏目に出てる。

瘴気? 設定自体は前作からあったよね。鬼がいるエリアは瘴気が満ちていて、長いこと吸うと危険。各任務に制限時間があるのはそのため、っていうストーリー上の設定だけど。

ああ。だが今回は存在感のあるシステムになっており、各エリアに散らばっている石碑を浄化することで、周辺の瘴気の濃度が下がり、探索できる時間が延びるようになっている。

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▲瘴気がよりシステムに絡むようになった。浄化することで周辺の探索がしやすくなる。

浄化しないと、少しの間しか探索できないわけね。タイムリミットがあるのは落ち着かないってこと?

いや、タイムリミットはそこまで厳しくないのだが、やっぱり毒ガスで汚染されてますって言うと、石碑まで駆け抜けたくなるのが自然な発想だろ? つまり、石碑までの道中を猛ダッシュで駆け抜けてしまうので、ここも余計に探索の興を削いでいるんだよ。

あー……

未踏破のエリアは猛ダッシュで駆け抜ける。石碑で浄化して、「はてどうやってここまで来れたっけ? まあいいやマップ見れば分かるか」をひたすら繰り返す。里周辺以外は全て同じ流れだ。おかげで、ただでさえ薄っぺらいフィールドなのに、道中の景色がよりいっそう記憶に残らない。

なんだかね。別に瘴気システム自体はそこまで嫌いじゃないんだが、エリア毎に攻略手順を変えるなり、危険な直進と安全な迂回路を用意するなり、いくつか工夫が欲しかったんだが。ただ広いだけでひたすら単調。オープンワールドと言うよりシームレスなだけってのが触った感想かな。

バッサリ切りますね……。

まあな。で、開発陣には申し訳ないが、オープンワールドの不満はまだある。これ、オンラインはオープンワールドじゃないんだ。

え。さっき、共同作戦の話をしたじゃん。他のモノノフに加勢できるって。

あれ、オフライン専用な。戦ってるのはNPCのモノノフだ。アバターや装備が他プレイヤーの場合もあるだけで。

えーーーマジで? じゃあもしかして、オンラインでの協力プレイは、今までと同じモンハンシステムだったりするの?

はいその通り。極の頃までと全く同じでございます。オンラインでオープンワールド探索は一ミリたりともできません。

あららー…………。

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▲オンラインは、今までと変わらない。受付嬢に話しかけて受注し、出口から該当エリアまでワープして戦う。

「別にオンラインはやんねーし」「他人と遊ぶ時はそっちのほうがいい」と思う人もいるだろう。でも、そういう人たちにもデメリットがある。

ようは、モンハンで言うところの集会クエにオープンワールド要素が無いってことなんだ。つまり、オープンワールド探索中、深部でしか出てこない鬼とやっとこさ対峙できたとして、「まあ、集会クエでいつでもすぐに戦えるしな」で終わってしまう。フィールドで貴重な鬼に遭遇する驚き・感動すら無いし、あの鬼に会いに行こう的なモチベーションも起き得ない。鬼に会いたきゃ今までみたいに、オンオフ関係なく集会クエやろうぜって。

技術的に難しかったのかもしれないが、個人的にここが討鬼伝2で最も残念な部分だ。オープンワールドの魅力を、他の要素がことごとく殺しにかかってる。

総じてオープンワールド要素は微妙で、それ目当てで買うと肩透かしを食らうこと間違いなしだ。ストレスを感じるものは何もないのだが、とにかく薄っぺらいのである。

戦闘

さて、オープンワールド部分でずいぶん悪く書いてしまったが、お次は戦闘について書いていこう。

ちっとも反省している素振りが見られませんね……。

良い点:快適かつ戦略的。シリーズ最高傑作と言っていいバランス

オープンワールドが微妙だったのに加え、戦闘は見違えるほど面白くなった。今までも面白いことは面白かったが、とにかく固い・めんどい敵にうんざりした人も多かったのではないだろうか。討鬼伝2では、これら2つの欠点を見事に克服した。

まず、鬼の手による多彩なアクションだ。敵をわしづかみにして立体移動ができるだけではなく、タイミングよくカウンターで掴んで転ばせたり、特定部位を再生不能になるレベルで消し飛ばしたり、はっきり言ってフリーダムウォーズよりよっぽど立体機動を面白く実装している。

立体移動・カウンター攻撃・部位の完全破壊。これら全てをワンボタンで実現している。特筆すべきは完全破壊で、鬼ごとに違った変化を遂げるのが新鮮だ。脚を失って立てなくなる鬼、翼を失って飛べなくなる鬼など、どう変化するかは鬼によって全て異なる。攻撃方法が変化するのも面白い。

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▲敵を掴み、勢いよく空中へジャンプしながら接近する。部位の選択も含めワンボタンで発動できる。ダッシュしながら全力で逃げていく鬼が多くてうんざりしたものだが、今回は飛んでいる敵も含めいつでも距離を詰められるようになった。

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▲特定部位を完全に消し飛ばすことができるようになった。両足を失ってイモムシのように這いまわるゴウエンマはなかなか滑稽だ。


▲カゼキリの前足2本を完全破壊し、ピョンピョン飛び跳ねることしかできなくなった。本来は四つ足であちこちへ駆け回る俊敏な鬼だ。

他にも、(ゴッドイーターを知っていると)驚くほど新骨格が追加されているので、ここも新鮮味が感じられる嬉しい要素だ。やっぱ2と言うからにはこうでなくてはね。

なんか他作品が聞こえた気がするけど無視しておくよ。

あと、とにかく敵が固くてマンネリが激しい印象があった討鬼伝シリーズだが、今回は表層体力が激減したので、最上級でもない限りは装備が微妙でも割とサクサク討伐できるようになったぞ。

正直そこが一番うれしいかもしれないね……。ほんと、単調な割に固すぎて萎えたもんね……。

他、ミタマの育成が以前よりも奥深くなったのもありがたい。戦闘中にミタマが成長するようになった他、スキルの大小が廃止され、3段階まで強化することでどのミタマのスキルも実用的なレベルまで上げられるようになった。アラタマフリ・ニギタマフリの追加で、2つ目以降に装備したミタマにも固有のアクションができるようになったため、戦略性は以前よりぐんと増したと言える。固有アクションは様々で、中には残像を召喚してダブルで攻撃を畳みかけるスタイルもある。

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▲スキルが成長するようになった。スキルごとに効率的な成長手順が異なるのも面白い(普通に倒すだけでも成長はする)。

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▲戦闘中にその場でミタマが成長する。リザルト画面が廃止されたこともあってテンポがいい。

悪い点:極から削除されたものがあり、露骨な完全版商法を匂わせる

良かった点に比べると微々たるものばかりだが、悪い点も存在する。

まず、削除された鬼がそこそこ存在する。ざっと挙げただけでも、ダイマエン・トコヨノオウ・ツチカヅキ・タケイクサ・クナトサエ・ヤトノヌシ、ほか極で追加されたほとんどの鬼が消えている。どいつもこいつもだるい鬼ばっかな上に新骨格が多数追加されているのもあって、そこまで残念な思いが無いのだが。

また、良かった点で「敵が柔らかくなった」と書いたが、それゆえに全破壊が極より難しくなった。あっちを取ればこっちが引っ込む。悩ましい問題だが、今回は鬼千切・極が削除されたことも拍車をかけている。

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▲共闘ゲージをためることにより、最大で4つの部位を同時にぶち壊すという、半ばチートとも思える強力な鬼千切・極。今回は廃止されており、代わりに完全破壊ができる「鬼葬」が追加された。

他、完全破壊に成功すると鬼の挙動が変わるとも書いたが、どちらかと言うと破壊後のほうが厄介な鬼のほうが多い。素材を得られる以外にそこまで旨味がない。ダウン時間もそう長くないしな。

そこは初代から変わってないよね……。

とまあ、良し悪しはあるが新鮮味がある。快適さと戦略性を両立できており、十分評価できる。というか、見出しにも書いたが、戦闘に限ってはシリーズ最高傑作と言ってもいいだろう。戦闘目当てなら迷わず購入をおすすめする。

ストーリー

ストーリーに関しても書こうかと思ったが、ネタバレになるので詳しく書くのはやめておこう。個人的には、不満もあるけど悪くはない、極と同じくらいの塩梅の、無難なストーリーだ。

ほーん。可もなく不可もなし、って感じ?

そんなとこかな。中盤まではすっごい面白いんだが、後半で和ゲーっぽく無難に尻すぼみしていくというか、なんというか。極もそんな感じじゃなかった?

そんな気もする。

ネタバレになるか怪しいラインで書くと、今回は人同士の争いがメインになる。後半になるほどそれが顕著になり、ラスボス戦なんかもう鬼がおまけ程度の存在感になっている。

討鬼伝とは名ばかりだね……。

ほんとその通りでさ。どれだけ畜生な人間が現れても、そいつとは戦えないわけよ。だって鬼を狩るゲームだもんね、人間との戦闘はムービーのみだ。

決して悪いストーリーじゃなかったが、鬼退治に限定した討鬼伝じゃない別のゲームで扱ったほうが、すっきり終わりそうな内容だったかもしれない。

総評

まとめ
刷新された戦闘は、シリーズに飽きが来た人にも一見の価値あり。
オープンワールド要素がやや味気ないものの、総じてストレスフリーで気楽なゲーム。
新骨格を大胆に追加してくることも含め、今後の技術的な発展に期待が持てる良作だった。

オープンワールド要素に限って言えば、確かに少し残念な出来だった。だが、別にプレイに支障をきたすストレス要素はないので、それ目当てでも無い限りは気にする必要はない。

それに、モンハン亜種として生まれた討鬼伝が、国内でも有数であるオープンワールドというジャンルに踏み出したこと。これは大きな発展だ。シリーズの今後が楽しみになってくる。

まあ、初のオープンワールドだし、手探りな部分もあったんだろうね。これから探索も含めて面白くなっていくといいね。

つーわけで以上。個人的には、微妙なところを補って余りある改善・挑戦が感じられる良作なので、気になっている人はぜひ遊んでみて欲しい。

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