最悪の事態にもなりかねない!? 今のカプコンがどれだけヤバいのか、決算から考察してみる。


※以下、カプコンの「2015年3月期 第2四半期決算短信(PDF注意) 」を元に考察を進めます。

※一部抜粋

 当業界は家庭用ゲーム市場において、パッケージソフト販売はおおむね横ばいで推移したものの、スマートフォン向けを中心としたソーシャルゲームが快進撃を続けるとともに、底堅い海外市場により全体の市場規模は増大いたしました。
 こうした状況下、当社は基軸部門の家庭用ゲームソフトに関して、大型ソフトの投入はありませんでしたが、ダウンロード販売の注力や趣向を凝らしたプロモーション活動などにより、販売拡大に傾注してまいりました。また、モバイルコンテンツ部門等の事業構造改善策に加え、売上原価の圧縮や販売費および一般管理費の抑制に努めるなど、収益向上に取り組んでまいりました。

 この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に大ヒットした「モンスターハンター4」(ニンテンドー3DS用)の反動減などもあって、売上高259億17百万円(前年同期比51.3%減)、営業利益43億83百万円(前年同期比41.6%減)、経常利益45億40百万円(前年同期比44.6%減)、四半期純利益29億73百万円(前年同期比39.9%減)と減収減益になりました。

つい先日、カプコンの決算短信が公開されたな。赤文字が示す通り、売上高は前年比51.3%減。半分以下とか、アカンでこれは。

ここ数年下り坂だったけど、まだ止まらないんだね……。何が原因だったんだろう。

決算短信に、原因がいくつか示されている。ゲームブログ故、ここではデジタルコンテンツ事業のみを取り扱うぞ。

※一部抜粋

① デジタルコンテンツ事業
当事業におきましては、「ウルトラストリートファイターIV」(プレイステーション 3、Xbox 360、パソコン用)や「逆転裁判123 成歩堂セレクション」(ニンテンドー3DS用)が底堅い売行きを示したほか、前期にミリオンセラーを達成した「デッドライジング3」(Xbox One、パソコン用)も続伸しましたものの、目玉タイトル不在の商戦を余儀なくされました
 他方、オンラインゲームの「モンスターハンター フロンティアG」シリーズ(パソコン、Xbox 360、プレイステーション 3、Wii U、プレイステーション ヴィータ用)は健闘いたしました。
 また、モバイルコンテンツは「モンスターハンターポータブル2nd G for iOS」など、一部を除いてヒット作には恵まれませんでしたが、収益構造の見直しが奏功したことにより採算性は向上しました。
 しかしながら、ダウンロードによる販売拡大の下支えがありましたものの、当該期間のラインナップは有力ソフトが不十分だったことにより、全般的に小型タイトルやリピート販売が大半を占めたため、前述の「モンスターハンター 4」(ニンテンドー3DS用)の反動減を穴埋めするまでには至りませんでした。この結果、売上高は134億63百万円(前年同期比64.1%減)、営業利益21億50百万円(前年同期比60.0%減)となりました。

さて、上記の決算短信を読んで何を思った?

気付けと言わんばかりに太字で示してくれてるけど……。どんだけモンハン頼りなのよと。

うむ、その通り。今のカプコンは、他のタイトルの失敗をモンハン1本で支えている状況だ。

どうしてこうなっちゃったの? カプコンって、他にも強力なタイトルをたくさん持ってるじゃない。

バイオハザードは6で、ロストプラネットは3で、デビルメイクライはDmCでコケちゃったからね。特にバイオハザードは、前作の5がカプコンで最も売れたタイトルなだけに、6で採算を見誤ったのはかなり痛手だったはずだ。ロスプラもDmCもコケたとなれば、7に大金を注いで挽回を図るエネルギーも不足してしまうのは無理もない。

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▲一際赤字の原因になったであろう「バイオハザード6」。ホラーゲームとしての原点回帰に期待の声が高まった反面、「ハリウッドもびっくりの爆発オチの連続」「ドキッ!即死だらけのQTE大会!」「銃ばかり使う雑魚たち」と、賛否両論だった5の“否”だけをひたすらテコ入れしてしまい、レビューが大荒れして値崩れを起こしてしまった。

ありましたね、バイオハザード6……。あれは本当に酷かった。カプコンを支えてきたはずの各種大作で失敗を重ねてしまったから、また大作で立て直しを図るにはリスクが大きすぎると踏んだわけね。

幸い、モンハンは3DSなので、開発費が他よりも低めで済む。凝ったストーリーもいらないし、やりこみ要素もあるからゲームとしての寿命も長い。カプコンがしがみつくのも当然な話だ。

モンハン頼りだと何がマズいのか?

まあ、それでもモンハン自体は好調なわけだし……。記事タイトルは「最悪の事態」とまで言っているけど、そこまで深刻な話なのかな?

何を言ってる。そりゃ、深刻な話だろう。

えー、そうなの? そもそも、最悪な事態ってのは何を想定して言っているの?

カプコンが、他の企業に買収される事態のことだ。

はぁー!? それはナイでしょさすがに! なんでそういう話になるのよ。

それが、そう絵空事でも無いんだな……。まあ、理由を書いていこうか。

ヤバい理由1:リスクヘッジの点で問題がある

リスクヘッジ……リスクを回避したり、軽減させるための工夫のことね。

その通り。モンハン1本に頼っていては、モンハンが失敗した時に致命的だということになる。このような不安定な状態は、経営上よろしくない。

なるほどね。というか、今回の減収減益は「モンスターハンター 4」(ニンテンドー3DS用)の反動減を穴埋めできなかったのが原因の1つだよね。さっそく体現してくれちゃってるわけかあ……。

その通り。決算短信でも「目玉タイトル不在の商戦を余儀なくされました」と書かれている。カプコンとしては、もっと他のヒットタイトルがほしいんだ。頼みの綱が1本では、失敗した時にヤバい……って話。

ヤバい理由2:海外の売上が伸び悩む

モンハンが意外に海外で売れてないことはご存知かね?

そうなの? キャラの造形が濃いし、むしろ海外向きだと思うんだけどな。

この記事を読んでみてくれ。“他国では日本ほどには売れておらず、100万本以上出荷したタイトルは存在しない”とのことだ。出荷すらしてないんだから、売上本数はもっと低いことになるな。

知っての通り、カプコンは国内よりも海外でヒットを続けてきたメーカーだ。それ故、株主も外国人の割合が多めだし、経営戦略も海外に注力したものを取ってきた。モンハン頼みの経営では、このままで大丈夫なのかと株主に不信感を与えてしまうよな。

まあ、確かに。海外で通用するタイトルで巻き返しを図ってほしいよね。

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▲国内では絶大な人気を誇るモンハンだが、海の向こうでは今ひとつ。

ヤバい理由3:買収の恐れがある

※ちょっと他ではつっこまない、ヤヤこしく専門的な話になります。よく分からない場合は、読み飛ばして結構です。

さて、いよいよ買収の話になるわけですが……どういうことなのよ。なんでモンハン1本に頼っていると買収されちゃうの?

少し話は変わるが……実は、カプコンは今年6月に、株主総会にて買収防衛策を否決されているんだ。

株の話は詳しく扱うと難しくなるのでここでは省略する。詳細はこの記事を読んでみてくれ。早い話、カプコンが買収の危機に対してノーガードな状態を余儀なくされたということになる。

ふーむ。買収に対してノーガード……。でも、だからと言って、カプコンは簡単に買収できるほど価値の低い企業ではないし……。

この話には、まだ続きがあるんだ。更に同記事で語られているが、カプコンには「コンテンツのオフバランス」がある。これがとても厄介で。

コンテンツのオフバランス……ごめん、よく分からなくなってきた。

企業価値を測るデータの1つに「時価総額」があるが、これはソフトの売上によって大きく数字が変わる。しかし、カプコンには「バイオハザード」「モンスターハンター」を始めとする「出せばミリオンセラーになるかもしれない」という、とても価値のあるブランドが15,6本はある(カプコンの副社長曰く)。

なるほど。グッズ販売とか、コミカライズとか、ソーシャルゲーム化とか、色々と利用価値があるタイトルが多いもんね。

売上が落ちれば、目に見える形での「企業価値」は下がる。今がその状態だ。しかし、売上が下がっても、バイオ・モンハンと言ったブランド価値そのものは落ちない。

つまり、「カプコンは、価値のあるブランドを持っている割に時価総額は低いので、安い値で買い叩きやすい企業」となってしまったわけだ。

加えて、今まで可決されてきた買収防衛策が否決されたとなると……確かに、今が狙い目と見る投資家がいてもおかしくないね。

更に、突っ込んだ話をしよう。今年の8月頃に、カプコンがコーエーテクモを相手に訴訟を起こした。「シリーズ化されたソフトの続編を作動させる際、前作をゲーム機に読み込ませることで、追加のキャラクターやシナリオで遊べるシステム」はカプコンの特許だが、これをコーエーテクモが戦国無双などを始めとする複数タイトルで侵害したと、カプコンは主張している。

「そもそも、戦国無双のコンセプトをパクったのはカプコンなのに……」
「どうして今になって蒸し返したの?」

上記のように思った人も多いのではないだろうか。

業績が悪いカプコンが、少しでも金を得たいからという考え方もできる。が、狙いは他にもあると、シオンは見ている。

ああ、あの訴訟には驚いたね……。あの訴訟に、どんな狙いがあるっていうの?

訴訟の争点となっているポイントは「カプコンの特許を、コーエーテクモが侵害した」だよな。つまり、この訴訟でカプコンの主張が認められれば、カプコンは他のメーカーが使えない独自のシステムを保有していることになるよな?

まあ、そうだね。他が真似したら、また特許侵害で訴訟されちゃうもんね。もし認められればの話だけど。

つまり、もし認められれば「価値のある特許を我々は保持しています」と、株主に示しをつけることができる。この独自システムを売りだすこともできるわけだから。時価総額と企業価値の差を穴埋めすることが可能になるわけだ。

なるほど……。企業価値のギャップが広まってしまい、買収防衛策も否決。そのピンチの直後に、この訴訟だもんね。もしかしたら、カプコンは元々この訴訟を切り札として温存していて、切る機会を窺っていたのかもしれないね。

だとしたらだぞ。こんな時間も金もかかる訴訟という大きな切り札を、つい数ヶ月前に切ってしまったことになる。今のカプコンがいかに追い詰められているか、危機に晒されているかを象徴した訴訟だと取ることもできる。

ややこしい話だけど、なんとなくは理解できた……かも。

・カプコンには、単純な数字では表せない、ポテンシャルを秘めた「ブランド価値」をいっぱい持っている
・でも、今のカプコンは売上が不振のため、安く見られてしまっている
・加えて、買収防衛策も使えない。このスキに気づく投資家も出てくる

まとめると、こんなところ。カプコンの買収は、そんな現実離れした話ではないのです。

まとめ

まあ、色々書いてしまったが……今のカプコンはモンハンに頼らざるを得ない状況で、それはとてもリスキーであるぞという話。

専門的な話も出てきちゃったけど、他では扱わない話題を書くのが弓猫チャンネルの方針の1つでもあるので。

どうでしたか? 何パーセント減とざっくり言われるのとは、また違ったカプコンの見方ができたのなら幸いです。

この現状を持ち直すには、不評を招いたバイオ等のタイトルでまた成功を収める必要があるが……今のカプコンにその余力があるかどうか……。

バイオ7ではなく、リベレーションズ2だったのも、今のカプコンが資金不足なのを象徴してるよね……。

大作と言えば、延期を繰り返した「deep down」があったな。基本無料らしいから、上手くいけば大きな利益を上げることもできる。

逆に言うとそれ次第では、更に落ちていくかもしれないってことか……。ほんと、意味不明なところに買収されるのだけはカンベンしてよね……。

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1 件の返信

  1. ああ より:

    カプコンはパズドラをパクってまでゲーム作ってるからもう無理だろうな
    バイオも自由度が少なすぎてすぐ飽きるし
    いっそのこと買収されればいいんじゃないかと思う

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