フリーダムウォーズはなぜ失敗したのか?


そもそも、失敗したのか?

これまた過激なタイトルで……。「失敗してない!」 って思う人もいそう。

そう思うのなら、それでよし。俺は失敗したと思っているのでな。少なくとも、メーカーの想定より批判が多かったはずだ。

AmazonレビューPS Vita Mk2レビューのみならず、購入者しか評価できないPS Storeのレビューですら、一時期は2.5を下回っていた。理不尽シーン集まで作られるわ、香港でのイベントで質問攻めに合うわ……。手放しで喜べる結果では無い。

▼理不尽シーン集

▼香港でのイベント(和訳が入るので、現地の言葉が分からなくても大丈夫)

あー、この理不尽シーン集ね。この動画自体、賛否分かれてるようだけど。

どれも普通に遭遇できる場面だぞ。この手の動画で下手だって指摘はもう論外。そもそも実力差の垣根を超えるゲームを謳ってたわけだし、もうその時点で1つ失敗してるな。

難しいだけで叩かれているなら、世の高難易度なゲームは総スカンを食らっている。簡単かどうかに関係なく、プレイそのものが苦痛に感じるから叩かれているんだろうに。「立体戦闘」「奪還マルチプレイアクション」を銘打っておきながら、延々オフラインで蘇生を強いられるわけだからな。

売り上げ自体は好調だったよね。果たしてメーカーはこれをどう見ているのか……。

初週の売り上げは、ゲームの良し悪しに関係ない。広報に金をかけて期待させたゲームが売れるんだよ。

だが、面白いと評価されたゲームは『その後』の伸びがある。俗に言うジワ売れってやつだな。

PSPで発売された、初代ゴッドイーターの初週売り上げは、27万本。だが、要望に耳を傾けた改善のおかげで、2を発売するまでに累計で100万本を超えている。

累計ってことはバーストも含むわけだけど、それはすごい。

逆に、初週だけは勢いが良くても、不評だったせいで急激に失速して赤字を出す「バイオハザード6」のようなゲームもある。初週売り上げだけで判断はできないんだよ。

完全版が出たら買いたいと、多くのユーザーが思ってくれるかどうか。ブランド価値は明確な数字で表せないが、メーカーはもう少し上を見ていたと俺は思っている。開発に3年以上もかけたわけだし。

というわけで、どうして『失敗』と表現したかはこの辺にしておいて。これから先は、どうして失敗したのかを書いていくぞ。

失敗の理由は「コンセプトの迷走」

すでに話題になっているが、肝となるのはCEDEC 2014での保井氏の講演だ。

「ブームを起こせ」という無茶振りから『フリーダムウォーズ』が生まれた! “祭り”のゲームデザインとは?【CEDEC 2014】
l_5408656796473
 『フリーダムウォーズ』の企画はPS Vitaの発売前、まだVitaという名称すら決定していない時期からスタートしたという。きっかけは、吉澤氏からのPS Vitaでブームを作れとのオーダー。「エンターテイメントのゴールはブームを起こすこと。ソニー・コンピュータエンタテインメントは、プレイステーション、プレイステーション2、『みんなのGOLF』、『グランツーリスモ』といったハードやソフトでブームを起こしてきた。PS Vitaでもブームを起こしたい、そのソフトを作りたいという気持ちからプロジェクトを立ち上げた」と吉澤氏。

そのオーダーを受けて保井氏をはじめとする開発スタッフの心境は「どうしよう……」であったという。そこで、まずはオーダーの分析から行い、ブームとは“祭り”のことではないか、とひらめいた。ゲームの得手不得手、ユーザーと開発者、誰もがいっしょに遊んで盛り上がる“祭り”こそがブームであるとし、ゲームのデザインを進めていったそうだ。

ファミ通.com より。一部抜粋

記事はその後も続くので、時間がある人は元の記事を読んでみてほしい。結局、全てのこだわりが「ブームを作れ」「ブーム=祭り」を前提にしていることを言いたかったので、当ブログでは最初だけを抜粋している。

さて、このブームに対するこだわりだが、リコはどう思う?

どう思うと言われましてもね……。「3年間、そこにこだわってきたのね……」って、少し脱力したかも。

俺も同感だ。そして、その……「PS Vitaでもブームを起こしたい」という最初のコンセプトこそが、フリーダムウォーズを失敗へと誘った大きな原因だと、俺は思ったよ。

まあ、失敗の理由とまでは言わないけど、あの発想こそが成功の秘訣! とは私も思わないけど……。一応、どうしてそう思うのか、一応理由を聞かせてよ。

単純な話さ。動機が独り善がりだからだよ。

ゲームの開発動機にも、いろいろあるだろうさ。だがどの動機も、最終的には「プレイヤーをいかにして楽しませるか」に帰結するものだ。少なくとも、ユーザーに受け入れられるゲームに関しては。

「いかにして稼ぐか」に帰結するゲームなら、えげつない課金システムになるのと同じ。フリーダムウォーズは、「いかにして楽しませるか」ではなく、「いかにしてブームを起こすか」に注力してしまったから、ユーザー目線を見失うハメになったんだ。

先ほどの、香港のイベント動画にて、「どうして発売日にインフラを搭載しなかったか?」という質問が投げかけられている。開発陣は、「フリーダムウォーズには色々な魅力があるので、全部をいきなり遊ぶのではなく、ストーリーや都市国家対戦をまず先に遊んでもらいたかったから」と答えている。

この答えも、「どうやったらブームを起こせるか」が前提だ。まず都市国家ランキングでブームの火付けをしようと思ったのだろう。共闘タイトルの1つとして「奪還マルチプレイ」に期待して買ったユーザーが、ゲームを手にしてまず何をしたいのかが、全く見えていない。

まあ、一通り慣れたら、インフラで遊びたいよね……。

「まず僕らが遊んでいただきたい要素」と吉澤氏は語る。メーカーが決めた順番に遊んでほしいというその親切心には涙がこみ上げてくるが、機能すら搭載させないのはやり過ぎだろう。どれから遊ぶなんてユーザーの自由じゃねえのか?

多機能すぎて迷ってしまうのなら、迷う人向けにやんわりと誘導をすればいい。インフラやら武器強化やら、あれもこれも立入禁止にするなんて芸当は、「どうしたらユーザーが楽しめるか」を見失っていなきゃ絶対にできないだろう。そんなゲームが今までどこにあったよ?

ゴッドイーター2にもインフラが無かったけど……。あれは元々付ける気がなかった機能を、たくさんの要望を受けて後から付けたんだから、フリーダムウォーズのそれとは全く違うよね。

その通り。理由があって意図的に後回しにしたのだとしたら、そこにあるのはユーザー目線の配慮ではなく、「ブームを起こしたい」という独善的なメーカー目線だ。

ユーザーを楽しませずとも、ブームは起こせる。わざと不満を持たせたわけじゃないだろうけど、肩に力が入るほど、肝心なことを忘れてしまうものだ。コンセプトってのは、そういう迷走を防ぐための、ゴールへの目印にもなるわけだ。「ああそうだ、自分たちはこの目標に向かってゲームを作っていたんだった」と。

その目印にユーザーを楽しませる大前提が無かったら、開発中に迷走してしまうのはむしろ必然と言えるだろう。経験から言わせてもらうとね。

まとめ

えー、そういうわけで。コンセプトの段階で顧客目線を見失っていたというのが、当ブログの見解でございます。

ここから先は、考察とは無縁な、俺個人の想いをブチまけていきます。読みたくない人は、ここで戻るボタンを押しましょう。

前にも同じ流れを見た気がするのだ……。

前回の「難しさと理不尽の境界線とは? フリーダムウォーズをプレイして思ったこと」の記事にて、俺は“ブログや口頭で語る物では無く、皆様にお届けすることで、改めて評価いただくものだと思います。”という保井氏のコメントを汲むと言った。

アップデートがされる前のコメントだね。

ああ。で、インフラまで待ってみて、改めて「ああ、ダメだこりゃ」と評価して、俺は売った。

楽しんでいる人たちがたくさんいるのは、もちろん把握している。だが、メーカーが定めるターゲット層に、俺は含まれていないんだと判断した。要望を送ればいつかは良くなると期待していたが、結局徒労だったようだ。

ニコ生で、ユーザーを煽ったりゲストの声優をいびり倒すなど、メーカー以前にもはや人としてどうなんだと言いたくなるような一面も見た。仮にどんなに完全版で良くなろうが、もう吉澤氏が関わったゲームは二度と買いたくないと思いました。

あらら、そこまで言うのね……。

全ての要望を聞き入れてくれるだなんて、そんな横柄なことは思ってない。どんなゲームにも不満は付き物だ。だが、ここまでユーザー目線を見失っておきながら、不平不満を物ともせずに有料DLCやグッズの宣伝を続け、最後には生放送で煽る。ここまで客をコケにする人に、お金を落としたくないです。

フリーダムウォーズそのものには、楽しめる光る部分もあったのに、残念でならない。まあ、声優をいびった例の生放送に関しては、進行不能バグに見舞われ、声優からは「ひどかった」と笑われる始末だったからな。天罰が下るとはこのことだ。

やめなさいって。

お上が変わってくれるなら、完全版も買うかもしれない。繰り返すけど、フリーダムウォーズそのものには楽しめる部分もあったんだからな。プラチナトロフィーも取ったし、非公式のオフ会にも参加した。

この作品が好きな人もいるだろうに、過激な批判をして申し訳ない。もっとも、そういう人がこの記事を最後まで読んでくれてないと思うけど。

私は合わなそうだと思って見送っちゃったけど、もし完全版が出るのなら、今までの不満がもっと解消されているといいね。

フリーダムウォーズ 公式コンプリートガイド (ファミ通の攻略本)
週刊ファミ通編集部
KADOKAWA/エンターブレイン
売り上げランキング: 11,745
レベルデザイナーになる本 ー夢中にさせるゲームシーンを作成するー
Phil Co
ボーンデジタル
売り上げランキング: 272,428

You may also like...

16件のフィードバック

  1. 咎人A より:

    自分はフリウォが好きだが、この記事はなかなか納得できる内容だった。
    ゲーム自体は楽しめているので売ったりはしていないが。

  2. 山田 より:

    前回のフリーダムウォーズの記事同様、頷きながら読ませて頂きました。
    私は以前の記事の段階で売ってしまったのですが、今でもフリーダムウォーズの動向を追ってしまっている自分がいます。それだけ、良いも悪いも合わせて自分の中で鮮烈なタイトルとして残っているということでしょう。
    フリーダムウォーズというタイトルに対して、ユーザーの皆さんはどう思ったのか。そして、フリーダムウォーズを楽しめている方がいる一方、なぜ私のようなユーザーがでてしまったのか。
    この記事のおかげで、一段落がついたような気がします。

    ブログを維持していくのは大変だとは思いますが、更新頑張ってください。
    あまりコメントをすることはないかもしれませんが、これからも更新を心待ちにしています。

  3. 強襲兵 より:

    紅蓮のオロチ攻略の記事から流れつきました。

    フリウォは発売前の期待値が高かっただけに、蓋を開けてみたら思っていたのと違う!という所が多くて残念なゲームでした。
    どうしてこうなった!?と首を傾げるばかりでしたが、コンセプト段階で顧客目線を見失っていた、という見解に納得しました。

    残念なゲームではありますが、世界観や茨を使ったアクション、プレイヤー・アクセサリー(プレイヤーの名前を喋ってくれるのには本当に感動しました)のカスタマイズが好きで、時々プレイしています。

    吉澤氏が開発から離れたということで、これからフリウォの動向が気になるところですが、完全版もしくは続編が出るならば今度こそユーザー目線のゲームにしてほしいです。
    それが叶った日には是非、考察・攻略記事をお願いします!

  4. KU より:

    全て発売日前にした発言が裏目にでてますよね。流石に武器システム説明無しはない
    ただこれを危機と感じて、次にそして大作にして欲しいです。
    フリウォにはそれだけ魅力があった。

  5. 火鉈キック より:

    フリーダムウォーズ凄く好きなんですが、もやっとした感覚にこちらの記事で答えを頂きました。
    不親切さが際立つと思っていたのですが、こういった発言があったのですね。
    なんというか、作品が可哀想に感じるコンセプトで残念です。
    お陰で自分は大好きなのに、人に勧めにくいジレンマが…
    っと私事ですね、それではこれからも頑張って下さい!

  6. K より:

    私はラスボス以外は理不尽に感じたことはないです、動画のシーンも理不尽な場面じゃないし。
    投稿者が下手なのをゲームのせいにするのはどうなんでしょう。
    まあ私がそう感じたってだけの話ですが。

    • MA より:

      同意

      敵中に剣で突っ込んで死んで理不尽ってどういうこと
      たしかにナタリアは難しかったけれど

  7. A より:

    気持ち悪いなあ、こういう評論家気取りのキモオタにはなりたくないものだ

  8. とおりすがり より:

    前回の記事もさらっと読みましたし、もう2年も前の記事になんですけど、エアプですよね?
    完全に周りの意見に流されて自分の意見を持たない人だと思います。

    体験版が盛り上がって実際面白かったのは事実だし、
    発売後もある程度ゲームに慣れている人ならちょっとつまずく個所があるぐらいで、
    大して難しい難易度でもなかったし、マルチプレイが導入されていなかった事とストーリーがおざなりだった事以外はネットで叩かれてるほど悪いゲームじゃなかった。

    実際そこまでつまらないゲームならこれほどの売上にはなっていないと思いますよ。
    というか、自分はつまらんと思ったのに予想外に売れたのが悔しいだけですよね?(笑)

    • 弓猫 弓猫 より:

      一応、取れる限りのほぼ最速のタイミングでプラチナトロフィーは取ってます。
      最新情報を追っかけて疲れた組なんで、イデオロギー辺りはもう知りませんが。

      大して難しくなかったかどうかは主観的な話なので流させていただきますが、失敗していないなら共闘タイトルの中でも数少ない単発タイトルにはなってないと思いますし、プロデューサーも降板していないのでは?

      悔しいと言われましても、どこに悔しがる要素があるのかよくわからないです……理解が及ばす申し訳ありません。
      というか、もう二年も前になるんですねこの記事。自分でもびっくりするとともに、青臭い記事で恐縮だなあと他人事のように思います。

  9. チンピラ より:

    あんな煽り目的のクソ動画なんかより批判するべきポイントはいくらでもあるだろ
    ゲーム考察なんて看板つけてんならせめて内容からちゃんと批判しろ
    種類が少なすぎるボランティア、無意味にランダム性の強すぎる武器強化システム、明らかにイベント入れるつもりだった
    謎の建物、完結してないシナリオ、言い出せばキリがないしその上でアクセサリのカスタマイズやビジュアル面など
    見るべきところもたくさんある
    批判するための批にしかなってないからエアプ呼ばわりされるんだ

  10. シロマ より:

    弓猫さんは過去にフリーダムウォーズをプレイした感想をちゃんと書いているだろ。
    そもそも、商業的な考察をしている記事に弓猫さんをエアプ呼ばわりするのは的はずれだし、反論があるならフリーダムウォーズが成功している根拠を述べろよ。
    記事の内容を理解してないコメントは見てるだけできつい。

  11. より:

    理不尽シーンはちゃんと考えてプレイすれば回避できるシーンなんだけどな
    まぁ昔の記事に言うのもあれだけど
    そんなことより「フリーダムウォーズ」でぐぐってこの記事が検索結果に出てくるのが不快だわ
    楽しんでる人がいるのがわかっていながらこんなタイトルにするのは悪意があるのかね?
    考察とか言いながら愚痴が混ざってるのもおかしいわ

  12. 報徳社 より:

    細かい評価や内容はゲームカタログにのってるし。わざわざこの記事に愚痴るやつもどうかと思うが

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)