E3 2014のカンファレンスから読み取れる、ソニーとマイクロソフトの思惑の違い。


さて、世界最大のゲーム見本市「E3」が開催中。東京ゲームショウの豪華版といったところで、毎年業界人が詰めかける大注目のイベントなんだ。

今年も、今まで以上に大盛況で、期待の新作がわんさか登場! するかと思ったが。

思ったが?

ソニーとマイクロソフト、両社がそれぞれ抱える苦労が浮き彫りになったなという印象だった。ゲーム好きとしてはちょっとガッカリ。

えっ? 苦労してる素振りなんて全然無かったけど。

そりゃ、世界へ発信するカンファレンスでそんな素振りは魅せないでしょ。まあ、どんな苦労が見えたのか、それぞれ書いていこう。

ソニーのカンファレンスは、良くも悪くも「ただただ無難」

深刻なソフト不足だったソニーカンファレンス

まず第一に感じたことは、「独占タイトルを含め、ソフトが不足気味だった」ことだ。

独占ソフトはそれなりにあったような……インファマス、ジ・オーダー1886、リトルビッグプラネット3、ラスト・オブ・アス、そしてアンチャーテッド4……。

その全てが、SCE傘下のスタジオの作品だし、インファマスは追加DLC、ラスト・オブ・アスはHDリマスターだぞ? ジ・オーダーは以前から別のプレイ動画は公開されていたし、実質サプライズになったのはリトルビッグプラネット3とアンチャーテッド4ぐらいだ。

マイクロソフトのカンファレンスと比較すると、ソフトに関しては正直インパクトに欠ける内容だった。
ジ・オーダー1886では、初めて敵の外見がお披露目されたが、まさかのゾンビゲーム。
デッドアイランド2でも感じたが、既にブームが過ぎたゾンビにこだわっている点も、新鮮味を削ぐ原因だったのかもしれない。

他にも、ソニーの社員が代わりばんこにプレゼンを務めることが多く、中には大作でありながらストーリーPVを1本流すだけで、開発者が登壇しないゲームもあったほどだ(メタルギアソリッドVなど)。

メタルギアソリッドVの開発者と言えば、小島秀夫さん。小島監督の名で知られており、去年のE3では登壇しただけで拍手喝采が沸き起こるほどのカリスマクリエイターだ。その小島監督が登壇しないってのは、ちょっと驚いたな。

他に用事があって忙しかったんじゃ……。

E3を差し置いて、他にどんな用事があると。年に一回の、これ以上ない宣伝のチャンスなんだぜ。

現状では何も話せることがないほど、まだ開発が進んでないってことだろう……。

と、このように、まだPV1本しかお見せできない状態でも、半ば無理やり紹介しなくてはならないほど、ソフト不足に追い込まれていることが推測できる。
アンチャーテッドに関しては、まだ実機で動いているシーンは一切公開されていないことからも、まだシステムを煮詰めている段階だと思われる。
縦マルチ、他機種マルチも含めれば期待作は他にもあるのだが、Xbox OneではなくPS4を買う理由になりうるソフトが、ほぼ皆無と言えるほど少なかった。

本体の仕様や、サービスに関する言及があった

とまあ、ここまでソニーのカンファをdisってきたわけだが、好印象を与えた部分もある。それは「ゲームソフト以外の発表があった」ことだ。

ゲームソフト以外の発表?

PS4のシェアボタンによる動画投稿がYouTubeに対応することや、PS4のホワイトカラーが発売されること、そして何より、クラウドサービスのPS Nowに関する発表があったことだ。

詳しいことは既に他の記事で読んでいると思うので省略するが、特にPS Nowは発表当初から注目を集めていたサービスなので、その続報があったことは大きなポイントだ。

えっと、その「ゲーム以外の発表」があったことで、一体どんな思惑が見えてくるの? 記事のタイトルは「E3 2014のカンファレンスから読み取れる、ソニーとマイクロソフトの思惑の違い」だよ?

そうだった。ソニーの思惑は「PS4やソニーのイメージを、より強くプッシュする」というものだ。

いまいちピンとこないと思うので捕捉させてもらおう。
マイクロソフトがゲームソフトの発表だけだったのに対し、ソニーは自社サービスの今後の方針や、本体機能のアップデートに言及している。
ソニーが提供するサービスについて、今後の方針を視聴者にしっかりと提供していたのだ。

ちなみに、そのプッシュしたという「PS4のイメージ」というのは一体なに?

ゲーマーのためのゲーム機であること、ソーシャルメディアと提携しゲーマー同士が繋がれるゲーム機であること、クラウドサービスの恩恵が得られるポテンシャルの高いゲーム機であること……こんなところか。

PS4の初発表から、大して変わらないね……。

そう。そこ大事。発表当初から一貫していたイメージ戦略を、今回も押し通してきた。ソニーが現状の方針に自信を持っており、今後もその方針を更に押すつもりであることが伺える

PS4は実に順調なペースでシェアを拡大しており、その勢いは世界で最も売れたゲーム機であるPS2をも凌駕しているという。
Vitaの発表をほとんどせず、PS4だけに集中的に注目させたことからも、成功の勢いを更に強めたい思惑が垣間見える。

マイクロソフトのカンファレンスは、「一般人には好印象」。

方向転換の努力を感じるカンファレンス

一方マイクロソフトは、ゲームソフトの発表だけに留めており、本体や関連サービスの話が一切出てこなかった。これでは、今後マイクロソフトがどういう価値を提供するのかがいまいち見えてこないので、特に株主や業界人は不安に思ったかもしれないな。

その反面、独占タイトルを含めてゲームソフトの発表は密度が濃く、特にライブ中継で視聴していた一般のゲームファンには好印象に映ったと思われる。

どうして、ゲームソフトの発表だけに留めたんだろう? キネクトとか、もっと他にも推せる要素ってあるはずだよね?

特に、去年の初発表の時って、声だけでXbox Oneを操作したり、テレビも同時に快適に見られるのを推していたのに。

そう。そこがソニーとの最大の違い。去年はテレビやキネクトを推していたのに対し、今年はゲーム特化の発表。これは、去年のテレビ推しがゲーマーに不評で、マイクロソフトが方向転換を余儀なくされたからだ。


▲不評であったことを示す動画。怒涛のティービー連呼。さらに51秒の「Xbox One is about to become the next water cooler.」(Xbox Oneは次世代の冷水機になろうとしている)という発言には、本当にゲーム好きのためのゲーム機なのかと非難が集まった。冷水機のごとく、一家に一台の家電として普及させ、次世代を担っていくよというニュアンスだったのだろうが……。ちなみに、ゲーム機を家電へと昇華させる商戦は、すでにPS3で失敗している。

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▲ちなみに、上記の動画で最初に登壇したドン・マトリック氏は、この発表の3週間後にマイクロソフトを退社し、ソーシャルゲーム会社のZyngaのCEOへ就任した。さすがアメリカ、思い切りがいいにも程がある。

噂によると「健闘を祈る」というEメールが寄せられており、円満退社だったそうだが、ならばなぜ発表の直後に辞任しなければならなかったのかという話。ミスターXboxとまで言われていた人なのに。

確かに……。

とまあそんなわけで、マイクロソフトとしては「テレビのゴリ押しでそっぽを向かれた残念なゲーム機」の印象を払拭したかったんだろう。攻勢に出ているソニーとは対照的に、失態の回復を優先させたと言ったところか。ソニーよりも独占タイトルに力を入れているのも、そんな意図が伺える。

何というか、PS3の頃と立場が逆転しちゃったね。発表1つでこうもシェアが変わるなんて……。

全体的に不作の年だが、今後に期待も持てる年

というわけで、「今まで推してきたブランドイメージを更に推し進める攻勢のソニー」と、「汚名返上に追われる後手のマイクロソフト」と言った勢力図が確認できた。あくまで俺の目から見た勢力図だが。

荒れそうなまとめ……。

事実をもとに練った一個人の感想に過ぎない。どこにも荒れる要素なんて無いぞ。

だと言いけど。

まあ、不評と分かるやいなや責任者を変える行動力の早さ、その後のスムーズな方向転換は、さすが天下のマイクロソフトと言ったところ。今年のE3、注目作はXbox Oneの方が多かったなあという印象だった。あくまでこれも個人的な感想だが。

Xbox One独占かあと、少しうらやましい思いをしたソフトもあったよね。


▲特にシオンとリコが面白そうだと思った「サンセット オーバードライブ」。とても気持ちよさそうだ。

そんなわけで、マイクロソフトも後手のままでいようとは思っていない。シェアの奪還を目指して奮闘することだろう。

もちろん、その間ソニーがあぐらをかいて待っているわけじゃないし、両者の更なる競争に注目だね。


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