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面白いゲームを作るコツ、順調にシリーズ化しているね。

ああ。ツイッターで「どんな記事を書いてほしいですか」ってアンケートをしてみたら、2位に圧倒的な差をつけて「ゲーム作りのコツや講座」が1位になったからな。

ツクールMVの発売も近いので、ゲーム講座を惜しみなく披露していこうと思った次第だ。

今回は「プレイヤーを飽きさせない工夫」かー。気合いを入れて作った大作がすぐに飽きられちゃったら悲しいし、これは知っておきたいかも。

ところで、記事のサムネイルって、倒産しちゃったイメージエポックの「ラストランカー」だよね? このゲームを例に出して説明するのかな?

これは、個人的に好きなゲームを画像にしているだけで、記事の内容とは関係ない。ゲーム講座の画像って、どれを選べばいいのか迷うんだよ。だから今後も、お気に入りのゲームを無作為に載せていこうと思う。

コアなファンもいるのになんと罪作りな……。

飽きさせない工夫

どんなに面白くても、いつか飽きる

突然だが、Cookie Clickerというゲームを知っているか?

うん、知っているよ。飽きやすいゲームを説明する上で、これ以上ないくらい適した題材だね。

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▲ひたすらクリックでクッキーを量産していく海外製ゲーム「クッキークリッカー」。2013年9月頃に日本でヒットし、Twitterなどを通して爆発的に広まったものの、僅か1ヶ月ほどでブームが去った。

このゲームの詳しい説明や、ヒットの秘訣は省略する。記事の主旨とズレるからな。大事なのは、このゲームが凄まじい勢いでヒットした理由ではなく、凄まじい勢いで飽きられた理由だ。

うんまあ、ぶっちゃけた話、単調だったからだよね? いろいろ施設を増やしてクッキーを自動で量産させていく工夫はされていたけど、結局のところ、作ったクッキーを消費して更に生産量を上げていくだけだもの。

その通り。怪盗ロワイヤルなどの、いわゆるポチポチゲーが数年前に大流行したことを顧みても、シンプルな操作で数字を増やすゲームには、単調でありながら一種の面白さがある。だが、どんなに面白いシステムを作り上げても、ずっとそればかりやらせると、必ずプレイヤーは飽きる。

例えばだ。好きな食べ物を思い浮かべてほしい。

うん、思い浮かべたよ。ファミリーマートの、濃厚カスタードエクレア。

それを毎日欠かさず、三食食べてみろ。一ヶ月もしないうちに飽きるぞ。

うげえええ……想像しただけで胸焼けが……。

ゲームだって同じ。毎日三食の食事と比べて頻度は違うと思うなかれ。ゲーム好きな君たちの中には、1日に何時間もやり込む日だってあるだろう? 同じバトルで同じ操作を繰り返すことだって、それこそ食事の回数とは比較にならないぐらいやっているはずだ。

なるほど。どんなに面白いシステムを作っても、それ1つだけでは飽きてしまうってことなのね。

1つで飽きるなら2つにしよう

ねえねえ、思ったんだけどさ。1つの面白さを延々繰り返して飽きられちゃうなら、それを2つや3つに増やせば飽きられないってこと?

おお、答えを言ってくれてありがとう。そうですその通り。

ネットゲームやソーシャルゲームなど、飽きられて人が離れたら致命的なゲームで、アップデートがいつまでも続くのはこのためだ。新たな楽しみを提供し続けることで、飽きを防いでいる。

あのー、でも、私たちはツクールとかを使ってゲームを作るアマチュアなわけで。ネトゲを作ろうと思っているわけじゃないし、アップデートをするまでもないゲームの場合はどうすればいいの?

良い質問だ。アップデートをすれば飽きられない楽しみは提供できるものの、フリーゲームでネトゲ並みの追加コンテンツを作るのは、確かに大げさだ。ここは、アップデートに頼らず複数の楽しみを用意し、プレイヤーを長く楽しませる工夫を2つ書いていこう。

やっと本題って感じだね。

システムの中にメリハリを 「静と動」

1つ目。こちらは「システムの工夫」だ。1プレイの中に2つの楽しみを用意し、マンネリ化・パターン化を防ごうというお話。

「静と動」ってあるけど、これは一体どういうこと?

ゲームで遊ぶプレイヤーのテンションの変化のことだ。例えば、そうだな……スーパーマリオブラザーズってゲームがあるだろ?

言わずと知れた、アクションゲームの金字塔だね。

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あれにスーパースターという無敵アイテムがあるが、もしあれをスタートと同時にゲットできて、無限に効果が続いたらどうだ? 楽しそうか?

う~ん。最初は気持ちが良いと思うけど、そのうち飽きてきそう……。

じゃあ逆に、キノコ・フラワー・スターを含む全てのアイテムが無かったらどうだ?

そ、それはそれでシビアというか、地味すぎて飽きちゃいそう。

だろ? マリオは言うまでもなく世界中のゲーマーを熱狂させた名作だが、その理由の1つに「メリハリのあるゲームデザイン」がある。

正確な操作やタイミング合わせ。そういった、緊張感や慎重さを求めるパートと、アイテムを手に入れて一気に強くなり、敵を蹴散らす爽快感を味わえるパート。マリオは2つの側面をバランスよく組み込んでいるから、プレイ中に飽きてしまうことがない。

マリオに限らない。君が熱中したゲームを思い返せば、1プレイの中で静と動の躍動感に優れたゲームは、たくさんあるはずだ。

格闘ゲームやRPGにも、ゲージを溜めて出せる強力な技とかあるよね。それも静と動のメリハリを意識してるのかー。

ゲージ技を採用したゲームは数多くあるので、別のゲームで例を示したい。

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バイオハザード5。
敵を銃で撃ち倒していく、サバイバルホラーゲームだ。

通常、銃で撃つゲームとなると、敵と距離を置いて遮蔽物に隠れ、頭を狙うものが多いが、バイオ5は全く異なる。
頭を撃つと敵がよろけるのだが、そのよろけ中に近づいてボタンを押すと体術が出せるのである。

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中には即死攻撃を繰り出してくる敵もいるが、上手くよろめかせることで体術を繰り出せる。
この体術は弾の節約になるほか、発動中は無敵になるので、上手く周りを巻き込めば戦況をひっくり返す強力な武器になる。
離れて撃つの繰り返しではなく、

敵から逃げつつ部位を狙う緊張感(静)と、
よろめいた敵をまとめて倒す爽快感(動)を繰り返すことで、短い戦闘の中でプレイヤーに多様な刺激を与えている。

「俺はバイオ5みたいな大作を作ってるわけじゃねえよ!」と言ってスルーするのか、「なるほど、これを参考にできないかな」と自分のゲームと照らし合わせるか。それは作り手の自由だ。

全く畑の異なるジャンルでも、参考になる面白さってあるんだね。

そうだな。まとめると、1プレイの中でプレイヤーに2つの感情を与え、メリハリを付けろ、ということだ。

全体のゲームバランスに変化を 序破急

1プレイの中でメリハリを与えるのは分かったところで、バイオハザード5のミニゲーム「マーセナリーズ」のプレイ動画を見てみよう。飽きたら見るのをやめていいぞ。

あの~。頭を撃つ→体術でど突く、ばっかで飽きました……。

というコメントを期待していた。相変わらず君は僕の予想を裏切らないな。

まるで私が単純とでも言いたげね。

さて、先ほど例に挙げたバイオハザード5だが。いくら静と動で1プレイにメリハリをつけても、そのメリハリを100回、200回とやらされたら飽きるよな?

うん。そのメリハリも含めてワンパターンって扱いになっちゃうもの。

その通り。そのワンパターンを防ぐためにはどうすればいいのか、これから説明していこう。

中盤から終盤にかけて、便利な技が変化していくゲームで遊んだ経験はないだろうか。
序盤は剣士が強めだったのに、中盤ではMPが増えて魔法使いが強くなり、終盤では大器晩成型のアサシンが無双していく……など。

なにか具体的にゲームを挙げて説明するのは難しいのだが、「このゲーム、終盤になると別ゲーだよな」といった経験は、多くのゲーマーがどこかで体験しているはずだ。

やたら敵が状態異常を狙ってくるダンジョン、トラップが多いステージ、戦闘の役割が変化するような技を覚える味方……。

ゲームの別ゲー化そのものには賛否両論があるものも多いが、少なくとも飽きてしまうことはない。「序盤は1体ずつ敵をおびき寄せて地道に倒す、緊張感のあるゲームだったけど、今では敵の火の海に突っ込んで起死回生を狙う派手なバランスだな」というように、ゲーム全体のバランスに序破急をつけると、最後まで飽きられることなく遊んでもらえるぞ。

序破急……エヴァで聞いたことがある人も多そうだけど、具体的にどういう意味なの?

起承転結と同じ、物語の波を表現する言葉だ。最初は控えめ、中盤でそのマンネリを打破するものを用意し、終盤で急展開を迎える。起承転結だと4段階になるので難しいが、序破急なら3段階なので、バランスの波を考える上ではこちらを意識したほうが作りやすいぞ。

まとめ
・どんなにおもしろゲームでも、単調だと飽きられる

・1プレイに静と動を意識すると、メリハリのあるプレイを楽しめる

・全体のバランスに序破急を意識すると、最後まで飽きさせないゲームにできる

なるほど。爽快なだけのゲームも、緊張感のあるゲームも、それだけでは飽きてしまうってことだね。

ああ。よく「緊張感のある、頭を使うゲーム」などがあるが、ずっと緊張していたら疲れてしまうよな? 息抜きに気分転換をしたくなる時もある。

逆に、ゴリ押しで突き進めるゲームも、ずっと遊んでいると「もうちょっと頭を使いたいな……」と思ってくる。たまに緊張感のあるボス戦を挟んでみるなどして、1プレイと全体バランス、2つの側面でメリハリを意識してみよう。

なお、ゲーム全体のバランスの変化を「レベルデザイン」と呼び、プロの世界で今でも研究が続いている奥深いジャンルだ。今後も機会があれば取り扱っていくので、よろしくな。

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