フリーダムウォーズは、本当に実力差の垣根を無くせるのか?


先日、INSIDEの記事に気になることが書いてあった。


気になること?


フリーダムウォーズの開発者が、ゲームデザインについて語っていた。
今回は、それについての考察だ。


開発者のインタビュー記事について

皆で慌てて、皆で支え、皆で勝利する『フリーダムウォーズ』、腕前の差があっても心地よく共存できる仕組みとは

過酷な世界と管理社会に使役される人々を描く『フリーダムウォーズ』は、その魅力的な設定とともに、荊を用いた高速戦闘やアドホックモードによる協力プレイ(アップデートでインフラストラクチャモードへの対応予定あり)など、戦闘面においても注目と期待が集まる一作です。

しかし、ユーザーによってはマルチプレイにあまり心躍らない方もいるかと思います。仲間と連携して強大な敵を倒すのは確かに爽快感がありますが、腕前の差などで「迷惑をかけそうで…」と申し訳なく考えて控える人も少なくないでしょう。ですが本作においては、「アクションが得意な人と苦手な人の、気持ち良い共存」を目指していると、「恋の懲役は1,000,000年」でもお馴染みの保井氏が、オフィシャルブログにて述べています。

保井俊之氏曰く、「得意な人は苦手な人を、助け、守り、導くという役割を自然に担うようにする。苦手な人は、得意な人に恐縮することなく、できることをしたり、支援する役割を自然に担うようにする」という想いが根底にあることを語った上で、その方向性を実現するため、「戦って敵を倒すことだけを目的にしない=”強さ”以外の評価軸も設ける」と考え、ただ戦うだけでなく、「市民の奪還」という重要な要素をシステムに加えました。

(省略)
記事の詳細はこちら

記事のポイント

この記事の中で、保井氏は「アクションが得意な人と苦手な人とで、気持ちのいい共存を目指している」と語っている。
その共存方法においてだが、役割分担を設けることで、ただ敵を倒す以外にも活躍できるチャンスがあることを強く強調していた。

・敵を荊で足止めする
・アイテムの回収をする(回収したアイテムはチーム全員が均等に入手するらしい)
・市民を搬送する
・敵を倒す

など、人によって得意とする行動が異なる中で、自分が活躍できるものを選んで貢献することができる、ということだ。

戦いが苦手な人なら、物資の回収に回ることでもチームに貢献することができる。
敵を倒すほどの腕がないなら、足止めをするだけでも活躍することはできる。


達成条件は「敵の撃破」ではなく「市民の救出」なので、色々な方法が想定される。
敵を倒せなくても、救出役を買って出れば大きな貢献になるわけだ。


ふーん、なるほどね……。まあ、言いたいことは何となくわかったかも。


「実力差を超えた心地よいプレイ」は、本当に実現するか?

達成条件が「心地よい」と言うには弱い

俺は難しいんじゃないかと思うけどなあ……。
言っていることは分かるのだが、実際に遊んでみた限りでは、
そのような配慮が行き届いているとは言いがたかった。


そういえばシオン、1月26日の開発者合同会議に参加してたんだっけね。


確かに、実力差の垣根を超えた協力プレイを実現させたゲームもある。
ラスト・オブ・アスやバトルフィールド3のマルチプレイでは、ただ敵を撃つだけではない、様々な貢献方法が用意されていた。
特にラスト・オブ・アスでは、敵の発見を仲間に報せたり、仲間の手当てをしたり、爆弾などのアイテムを譲ることでも評価ポイントが得られるので、撃ち合いが苦手な人でも上級者のサポートとして活躍することが可能だった。

が、フリーダムウォーズの場合、目指す目的は「市民の救出」だ。
極端な話、敵を1体も倒しきれず、こちらがボロッボロに死にまくって何度も何度も復帰を繰り返す泥沼試合であっても、市民さえ回収すれば勝利である。
(開発者合同会議では、40回までリスポーンが可能だった)
これを「心地よい」と思えるかどうか。

先述したラスト・オブ・アスの場合、貢献方法は多々あれど、目指す先が「敵プレイヤーの撃破」だから面白く、心地よいのではないだろうか。
フリーダムウォーズも勝利への道筋が多いのは確かだが、最終的に目指すゴールそのものが、心地よさと直結させるには弱いのでは無いだろうか。

手段は多々あれど、最終的に「アブダクターを倒す」ことが目的なら、
心地よいと思えるかもしれない。


なるほどね。市民の救出・搬送に成功しただけじゃ、たとえ形式的には
勝利だったとしても、心地良いと思えるかと言われるとまた話は別ってことね。


勝利条件と、貢献方法に密接なリンクがない。

これが一番気になったのだが、「貢献=勝利」になるとは限らないのだ。
例えば、アイテムの回収。これは仲間にとってもメリットになる行為なのは間違いない。
ただ、物資の回収をしているだけで勝てるわけではない。報酬が増える意味では仲間への貢献だが、勝利への貢献になるのかと問われると危うい気がする。
まだ何とも言えないところではあるが……。

「もうアイテム回収はいいから……市民搬送を手伝ってよ!」
「ヤダよ! 俺はアイテムほしいもん!」

全ての貢献が勝ちに結びつくのならいいが、フリーダムウォーズはそこの結びつきがバラバラに思えてならない。
逆も然りで、

「アイテム回収したい。まだ敵とも戦っていたい!」
「えー、いいじゃんもう。市民搬送してさっさと終わらせるよ」

というように、仲間の間で任務への目的にズレが生じる恐れがある

貢献方法が多いから、自分に合った戦い方でチームに貢献できる。
だが、皆が皆、仲間への貢献を第一に動くとは限らないんじゃないか?


多くのプレイヤーが望む目的と、チームへの貢献が結びついて、初めて
腕前の差を超えた心地よさに繋がると、俺は思うけどな。


また引き合いに出してしまうが、ラスト・オブ・アスのマルチプレイにも、アイテムの回収役を引き受ける人はいる。
素材を回収しては、火炎瓶や地雷などの武器を工作し、味方に受け渡す。
でもそれは、全てチームの「勝利」へ直結する要素なのだ。
そして、チームの勝利条件は、多くが「敵プレイヤーの撃退」によって達成される。
対戦相手に負けたくない! という、多くのプレイヤーが共通で抱くであろう感情を刺激する条件なのだ。

フリーダムウォーズの勝利条件では「敵にフルボッコにされてもいいから市民を守りたい!」と皆が思わない限り、勝利へ向けて団結できない可能性がある。
「市民? 知るかよ敵を倒せりゃそれで楽しいんだよ!」「アイテム集めたいから君たち戦っといてね~」と、実力差に合わせた遊び方こそ多くても、目指すゴールを統一できていないのなら、悪い意味で自由な戦争になってしまうだけだ。思い通りにいかない戦況に、イライラが募る者も現れるかもしれない。

まとめ

多くの狩りゲーでは「敵の撃破=勝利」というシステムになってるよな。
市民さえ救出できればOKというルールを理解せず、
無謀に突撃を繰り返すプレイヤーも現れそうだ。


あー、確かに……。討鬼伝でも似たようなことをしちゃったなあ。
あれ、部位破壊と体力の関係を理解して攻撃する部位を選ばないと、
討伐にすごい時間がかかっちゃうんだよね。


そう。一般に認知されているシステムとは異なる仕様にすると、
上手く行けば新鮮なプレイ体験を味わえるのだが、
下手すると誤解を招いて連携を削ぐことも起こりうる。


フリーダムウォーズに関わらず、ゲームの勝敗条件に関係なく楽しもうとするプレイヤーは、あちこちで見かける。
ネットゲームのPKなどがいい例で、仮にゲーム的なメリットがほとんど存在せずとも、相手プレイヤーと戦えるスリル等を目的に、損得勘定を無視してPKを繰り返す者も大勢いる。
プレイヤーの「●●したい」という感情と、ゲーム上のクリア条件が必ずしもマッチしないゲームはたくさんあるが、狩りゲーでは初の試みである。
フリーダムウォーズがどんなゲーム体験を見せてくれるのかは分からないが、もし上手い落とし所を見つけ、多くのプレイヤーが色々な遊び方を見つけ出せるゲームにできたのだとしたら。
今までの狩りゲーにはない、未知の体験を味わえるかもしれない。
今回の記事は、「本当にそんなことができるの?」 と思う反面、「もし実現したらとても面白そう」と、期待をより一層強めてくれる内容だった。

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