面白いゲームを作るコツ 読みやすいテキストの秘訣とは?


ゲームを作っていて、自分の書いたテキストに不安になった人はいないだろうか。

うーん、まあ、あるっちゃあるかも……。

この文章でちゃんと内容が伝わっているだろうか? そもそも読んでくれているだろうか。今回の記事は、そんな不安を解消させるべく、「プレイヤーに親切な、読みやすいゲームテキストの書き方」について触れてみるぞ。

なお、ムービーで語るゲームもあれば、プレイヤーの入力でメッセージを読み進めるゲームもあるので、全てのゲームに共通する話はできない。だが、自作ゲームならば後者のほうが多いと思われるので、今回は入力で読み進めるタイプのゲームで話を進めるぞ。

流し読みとその対策

ゲームテキストは流し読みされるもの

クエストの行き先を聞き流してしまったため、もう一度クエストの依頼主に話しかけてみたら「頼んだぞ」の一言しかなくて困った経験はないか?

あー、あるある。特に昔のゲームでよくあったかも。

それを防ぐために、「2回目に話しかけられた場合も親切なテキストを書きましょう」って話かな?

うーん。それも確かに大事だし、実装するに越したことはないが、どちらかと言うとユーザビリティの話になる。今回は文章構成の話なので、もう少し深く突っ込んだ話だ。

さっきの例でなにが言いたいのかと言うと、ゲームのテキストは流し読みされる時もあるということだ。

ゲームは、文字を扱うコンテンツの中では、多くの要素を含む複雑な媒体である。
文字を流しながら曲も再生し、時にキャラクターが動きまわったり、コントローラーが振動したりする。
選択肢によって、時にプレイヤーに思考の余地を与える。

文字以外にも目を引く要素が多いため、文字(と少ない挿絵)で全てを理解せねばならない小説と比較すると、文字が流し読みされやすいのだ。
絵と文章で説明するという意味では、マンガを意識した文章を心がけるべきである。

なるほどー。確かに、セリフ枠があるゲームの場合、一度に表示できる文字数が限られているから、吹き出しに収める必要があるマンガと似ているかもね。

ああ、だがマンガと決定的に異なるのは、直感的な読み返しができない点だ。

マンガの場合、流し読みで話についていけなくなっても、視線を戻すか1ページ戻すだけでいい。気になるシーンを読み返すのも、パラパラと高速でめくれる。それと比較して、ゲームはバックログ機能が精一杯だ。

そのバックログも、機械的に文章を逆戻りしているだけ。マンガのようにシーンそのものを読み返せるわけじゃない。その時のキャラクターの表情や動き、BGMまで戻るわけじゃないもんな。

シーン回想を用意しているゲームもあるかもしれないが、メインメニューまで戻る必要があったり、決められた場所からの再生しかできなかったり、どうしてもマンガよりも快適で直感的とは言えない。ゲームは読み返すには不適切なメディアなんだ。それゆえ、無意識に読み流してしまう上に、後戻りもそこまでされないという、少々特殊な性質がある。

流し読みを前提にしたゲームテキストを心がける

以上のことを踏まえ、改めて読みやすいテキストとはどんなものかを考えてみる。

「バックログがある。シーン回想がある。読み返せるぞ。読み飛ばすほうが悪い」では不親切なんだ。無意識に流し読みしやすい割に、読み返すのは無意識にやりにくい媒体だから。

となると、流し読みをされても構わない文章を意識することが大事になってくるのかな?

そのとおり。それこそが、読みやすいテキストの真髄だ。

うーん、でも、具体的にどうやって意識して書けばいいんだろう。もうちょっと詳しいコツを聞きたいな。

まず、そのシーンで、聞き流されても構わない情報と、絶対に読み取ってほしい情報に分ける。シーン単位で考えていくとやりやすいだろう。

そして、読み取ってほしい情報は、繰り返しプレイヤーに伝える。これを意識するだけで、かなり変わってくるぞ。

読み流しても構わない内容と、読み取ってほしい内容の違いはなにか。
これは、君がどんな物語を書きたいかによるので、明確な正解はない。

「うー、寒い寒い」という台詞があるとして、「寒い場所にいる」ことが重要な情報であるかどうかは、ストーリーによって異なるのだ。

なるほど。読み取ってほしい情報を繰り返す、か……。

やり方はいくつかあるが、最も簡単なものにオウム返しがある。例を挙げてみよう。

【例1】

A「なあ、“虚ろの魔王”の噂を知っているか?」
B「“虚ろの魔王”? なんだそれ」
A「知らないのか。見た者の魂を抜き取って虚ろな存在にしてしまうという、恐ろしい魔王の噂だよ」
B「魂を抜き取られるのかよ、おっかねえなあ……。で? その虚ろの魔王がどうかしたのか?」

虚ろな魔王という名称と、「魂を抜き取られる」という恐ろしい存在であることをAが説明し、Bが繰り返している。

【例2】

A「じゃまず年齢を教えてくれるかな?」
B「24歳です」
A「24歳? もう働いてるの、じゃあ?」
B「学生です」
A「学生? あっ……」

Bが24歳の学生であることをAが繰り返している。

あの、例2はゲームテキストじゃない気がするんですけど……。

このように、相手の発言で強調すべきところを繰り返すことで、プレイヤーに情報を刷り込ませることができる。

ただ、やりすぎるとクドい文章になるので、こればかりを多用しないようにな。何事も程々が肝心だ。

他にも、キャラの仕草と連携させることで、プレイヤーに印象づける方法もある。

キャラの仕草と連携? どういうこと?

おっ、今のオウム返しいいね! ご褒美にナデナデしてあげゆ★

ギャーやめろーーキモいわ!!

いてええええ! 顔を殴るな顔を!

まったく……オウム返しをほめた程度でセクハラできると思わないでよ!

ってのが、キャラの仕草との連携だ。喜怒哀楽や殴るといったアクションをキャラクターに起こすことで、プレイヤーに強い印象を残すことができる。

このテクニックは、オウム返しと異なり、間隔をあけて使うことができるため、くどい印象を与えにくいのが強みだ。

先ほど、「うー寒い寒い」という例を挙げたが、シーンの最後で主人公にくしゃみをさせ、「ほんとに寒いな。温かい飲み物でも買っておこうかな」と言わせるとかな。シーンをまたいだ演出をすれば、伏線に使うこともできるぞ。

なーんか、上手く私を利用して説明した感があって、釈然としないんですけど……。

まとめ

まとめ
・ゲームテキストは、時に流し読みされるものと思って書く。

・伝えたい情報は繰り返す。一度で済ませない。

・繰り返し方には、「オウム返し」と「キャラの仕草と連携」がある。

今回紹介したのは、ゲームテキストのコツのほんの一部だ。

文章構成は奥が深い。俺もまだまだ勉強中だ。今後も取り扱っていくので、よろしくな。

ねえねえ、このブログの文章が読みにくいのはどういうことなの?

うっせえよ、ほっとけ! 何としてでもオチをつけたいんだな、君は!

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2件のフィードバック

  1. 伊421 より:

    納得のいく話でした。確かに漫画に近いかも知れませんね。
    字幕映画なんかにも近いかも。
    自分はゲームテキストはしっかり読む方ですね。そっちの方がゲームの世界に浸れるというか、詳しくなれる気がするんで。
    ゲーム内で拾える世界観についての資料とか好きです。なんかワクワクします。

  2. せれぶ より:

    なるほど、すごく納得しました。
    自分は、ゲームを作ったことも作る予定もないですが
    今度、顔見知りだけでTRPGを始めてみようとしてるので
    次回のこの記事も楽しみに待っています。
    もちろん他の内容のものも、楽しみ待ってます。

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