面白いゲームを作るコツ 「使ってみたい!」と思わせるスキルや装備には、どんな工夫があるか?


前回の「面白さの土台を作れ」から、実に5ヶ月以上が経った今日! ついに待望の第二弾が登場だ!

このサボり魔め……。

今回は、スキルや装備を、プレイヤーに「使ってみたい!」と思わせるコツを書いていこうと思う。

これまた、なんともニッチというか、マニアックな記事だね。ゲームデザインに関することでしょ?

ああ。でも、ゲームを作っている人なら一度は悩んだことがあるはずだぞ。なんとかして死に技を減らしたいとかな。

死に技……。性能が悪すぎたり、使い勝手がビミョー過ぎて、ほとんど使われない技のことだよね。確かに、制作者としては減らしたいよね。

そうだな。他にも、死に武器、死にキャラなど、調整ミスによって生まれてしまう死に要素は回避したいのが、ゲーム制作者のサガってもんだ。

エフェクトが派手とかで、性能を無視して使いたくなるようなものならいいんじゃない?

その場合は、魅せ技とかロマン砲とか、別の呼称があるので今回は除外だ。結局のところ使ってくれてるわけだから。主にゲームバランスにおいて、「おお、このスキルは便利そう」「この装備は強そう」と思わせるにはどうすればいいのか。そのコツを書いていきたいと思う。

魅力的なスキル・装備を作るコツ

見える化しよう

では、さっそく答えから。1つ目は、ちょっと廃れてきた言葉だが「見える化」だ。

見える化?

魅力的なスキルを作ったところで、その存在がプレイヤーに認識されなければ意味が無いよな? 「あと3レベル上がるとこのスキルを習得しますよ」といった情報を見える化し、プレイヤーに知ってもらう。

すると、あと3レベル上がった結果どう強くなるのかが明確になり、「よし、がんばろう!」と思えるわけだ。

スキルや装備の存在を見える化」するってことね。

ああ。見える化の利点は他にもある。以下の画像を見てほしい。

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これは、KRITIKAというアプリの武器強化の画面だ。拾い物なので赤枠部分は無視していい。

これ、武器強化の画面なの? 強化に成功した時にどれだけ強くなるのか分からないから、不安なんだけど……。

うむ、言いたいことを的確にまとめてくれてありがとう。実はこれ、俺が画像を加工してわざとシンプルにしたものだ。

加工したんかい……。

これはこれでいいという人もいるかもしれないが、どれだけ強くなるのかも分からないのに強化費用を無駄にしたくないと思い、この機能を無視する人が出るかもしれないよな。

これが、本来のKRITIKAの強化画面はこうなっているぞ。

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1回の強化で攻撃力が97上がることが分かり、かつ25回がMAX強化で、その場合はなんと6435まで攻撃力が跳ね上がることが分かる。

1回の投資でどこがどれだけ強くなるのか明確で、かつゴールが見えている。これにより、プレイヤーは安心するとともに「MAX強化はこんなにすごいんだ!」と期待することになる。

確かに、情報を隠されていた場合、割にあわない強化になっちゃうのかどうか、どうも不安なところがあったよね。

強化したはいいけど、どう変わったんだ? 使ってみたけどよく分からんぞ……。と思われてしまうのが最悪だ。使っただけですぐに分かる変化を作れるならいいが、それが難しい場合は、詳細なデータを示してプレイヤーを納得させよう。

心理学の話になるので少々小難しいことを言うが、人間は不安を恐れ、損失を回避したがる本能がある。この場合は、「強化によって本当に強くなるのか? 稼いだゴールドや素材が無駄にならないか?」といった不安がある。その不安が残っていると、せっかく強化画面を用意しても、損失を避けたいあまりに使ってもらえないかもしれない。

情報を示すことでプレイヤーは安心すると共に、「武器を強化していない今の状態は不便だ。強化するとラクになる」という状態へ思考がシフトする。今の状態でいることに不満をいだき、先ほどの損失回避の本能によって、「今のままでは損失」という状態を避けたくて強化へ没頭するようになる。

多くのソーシャルゲームやネットゲームで似たような画面構成になっているのはそのためだ。プレイヤーを熱中させる仕掛けが豊富ってことさ。それで料金を荒稼ぎするのは問題だが、プレイヤーを熱中させる仕組みに使わせてもらうのは悪いことじゃない。

ふむふむ。でも、今回の記事って「魅力的なスキルや装備を作るにはどうするか」って話でしょ? 武器強化の話になっているけど、いいの?

ちっちっち。ツメが甘いねえ、君は。

悪かったわね……。

この武器強化のノウハウを、装備ショップやスキル習得画面に応用すればいいだけじゃないか。装備を買うと今よりどれだけ強くなるかを示すとか、スキルツリー画面で「ファイア Lv2 (威力+10%)」のような説明を出すとか。

習得できるスキルや装備を、ただ見せればいいわけじゃない。どう強くなるのか、どう便利になるかを見せるのが大事なんだ。

ついでに、どうやって入手するかも見せておくと、プレイヤーは具体的な目標ができてがんばれるよね。「あと3レベル上げる」とか「スライム10体倒す」とか。

砂漠とオアシスを作れ

見える化するのは分かったけど、他になにかいい方法はないの? そもそも魅力的なスキルや装備が思いつかないんだけど……。

たしかに、威力が上がるスキルや装備は魅力的だよ? でも、ただ数字を上げるだけじゃワンパターンだし、インフレが怖いの。もっとこう、特殊能力みたいなアイデア勝負でいきたい場合はどうすればいい?

なるほど。例えば、下の画像のような感じかな?

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そうそう。そんな感じ。透明化とか一度に2発とか、そういう感じのスキルや装備を作ってみたいんだけど……。

ふむ、それに関してはとっておきの方法がある。砂漠とオアシスだ。

砂漠とオアシス? どういうことよ。

砂漠は不便な状況、オアシスはその不便な状況を打開する便利なものを指す。リコは「便利なスキルや装備を作りたい」、つまりオアシスを作りたいわけだ。

まあ、そういうことになるけど……。

だが、考えてもみろ。水分が不足していない日本で、オアシスの水を売ろうとしても、上手くいくはずがないよな。

分かったような分からないような。なにが言いたいの?

砂漠とオアシスはセットで効果を発揮する。オアシスは砂漠にあるから貴重なんだ。

つまり、便利なスキルや装備を作りたい場合、先に不便なシステムを用意しちゃえばいいってことだよ。

不便なシステムと言えば、何があるだろうか。

・残機システム(尽きるとゲームオーバー)
・ロスト(死ぬとお金や経験値を失うシステム)
・マヒ、毒などの状態異常
・スタミナゲージが切れた時の息切れ
・銃の武器のリロードシステム

どれも、プレイヤーにとって不便な思いをさせるものである。
これをそのまま不便にさせておくと単なるストレスなので、そこに救済措置としてスキルや装備を置くのである。

・特定の行動で残機が回復するスキル
・ロストを一度だけ防ぐ、壊れるアクセサリ(強化すると2回防ぐとか)
・状態異常を防ぐ装備
・息切れ時間を短縮するスキルや、スタミナを増やす装備
・リロード時間を縮めるスキルや、装弾数を増やすアタッチメント、弾が多い(無限)の武器など

便利だと思ってもらうには、先に不便だと思ってもらわなきゃいけない。今より快適になりたいと思うからこそ、使ってみたいと思ってもらえる。

快適でテンポがいいゲームを作るために、スタミナを撤廃したアクションにしたり、リロード不要のシューターにする考えももちろんあるが、制約を取り払うだけ、便利なスキル・装備を作り出すアイデアに制約が生まれることを覚えておこう。

真に快適なゲームというのは、根幹のシステムだけを指すのではない。不便なシステムを快適にするスキル・装備で上手く配置し、多種多様な遊び方を用意する方法も数多くあるってことだ。

確かに、リロードを速めるスキルなら、そもそもリロードシステムが存在しないと成り立たないもんね。先にシステムから考えていくといいのか……ふーむ。

まとめ

まとめ
・スキル、装備によってどう強くなるのかをプレイヤーに見える化し、安心させる。

・敢えて不便なシステムを用意し、それを解消させる手段としてスキルや装備を用意する。砂漠とオアシスを忘れずに。

いちいち言うまでもないことだが、不便な思いばっかりさせて、快適なスキルや装備へたどり着く前に疲れさせてはダメだぞ?

いつまでも砂漠を歩かせていたら、疲れちゃうもんね。段階的に便利なものを用意しておくのがいいのかもしれないなー。

あ。ところで、「砂漠とオアシス」ってどこに載ってた言い回しなの? ググってもあまり出てこないけど。

自分で考えた言い回しです。自由に使っていいよ☆

今ので一気に使う気失せたよね。

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2件のフィードバック

  1. 名無し より:

    読んでて成る程なーと思いましたね。基本的に人は労力に見合った成果を求めるものですし、需要と供給というのを考えると、うん。どこに地雷があるかもわからないような地雷源を誰が好き好んで歩きたいと思うかってことですしストレスがあるからこそ達成感や満足というのを味わえるものですがそれをしっかり解消させないと人は悦ばない。要は飴と鞭ですよね。いや砂漠とオアシスでも良いですがw
    DV夫とその妻の関係にも似ているかもしれまs)殴
    死に技をなくすなんてどんな大企業でも難しいことですが特にRPGなんかだと。mpを考慮に入れると常に最高性能の技しか使えないというのもRPGでは逆に足枷になることもあるのでその辺も考えものですよねー

    • 弓猫 弓猫チャンネル より:

      >要は飴と鞭ですよね。
      それだー!!w

      多くの人に使われない死に技が「生まれる」のは避けたいところですが、死に技に「変化する」のは一概に否定できません。
      かつて愛用していた技が強い技に入れ替わるのは、マンネリ化を避けているのでプラスになることもあります。
      「全部これでいい」と思われるほど強いのは問題もありますけどね、特に簡単に習得できたりするとサイアクです。

      仰るとおり、MPは無駄を省くほど恩恵が大きくなるシステムなので、効率化を求めるプレイヤーが出るのは避けられません。
      得てして効率化を求めるほどワンパターンになり、使われない技が増えていくので、そこのさじ加減は本当に大変だと思います。

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