The Order 1886、序盤を遊んでの感想(メッタ斬りのため閲覧注意)


「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズの開発が手がけた、PlayStation 4独占タイトル、The Order 1886。この前ようやく買ったので、感想を書いてみたいと思う。

なんで、今さら……。発売日は2月20日だよね?

いやあ、ほら。協力・対戦ができないオフラインゲームって、例え出来が良くても値下がりが早いってのが通説でしょ。一部例外はあるけどさ。

通説なのかどうかはわからないけど、確かに、オフゲーってメディアの宣伝具合とは裏腹にすぐ安くなる気がするね。なんでだろ。

その理由まで話しだすとまた記事がグダるので、今回は割愛。では、ソフトの感想を書いていこう。

グラフィック

画質はPS4でもトップクラス

PS4独占と言われると画質が気になるところだが、ステージの作り込みはもはや実写と見分けがつかない。

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その半面、キャラクター……特に髪や肌については、PS3で出ている高画質な物とそこまで大差がなく、凝るところと妥協するところを区別したのかな、という印象を受けた。

髪の毛が短い人しかいないもんね。時代背景に合わせたせいかは分からないけど、ひょっとしたら髪の毛を靡かせる余裕までは無かったのかもね。

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▲どの人物も、髪の毛はピクリとも動かない。表情もあまり豊かではなく、肌も汚れやシワといった描き込みは丁寧であるものの、汗や血の光沢や、毛穴・そばかすなどの高度な表現までには及んでいない。

ただし、服に関しては細かい装飾までしっかり動く。コートを翻しながら戦う姿はなかなかカッコいい。

総じて、グラフィックはかなり高水準でまとまっているってことね。

さて、悪い部分もハッキリ書くオイラがべた褒めしているのを見て、察した人もいるかもしれないが。ここから先は、The Order ファンにはあまりオススメできない内容だ。

一人称、オイラだったの……?

システム・ゲームとしての面白さ

悪しき演出ゲーの典型

では、肝心の「遊べるゲーム」としてどうかと言われると、残念ながらかなり失望した。
色々と買う前から悪評は聞いていたからそんなに期待はしていなかったのだが、それでも更に一歩下をいく出来だった。

具体的にどこがダメか。それは、演出の押し付けっぷりだ。

ゴッド・オブ・ウォーと同じように、このゲームでもQTE(演出に合わせて表示されたボタンを押す、反射神経を要されるシステム)が採用されていて、ここが不満点の1つになっている。

あー、QTEか……ほんと、ユーザーからは不評なのに一向に廃れないシステムだよね。さすがに最近は控えめになってきた気がするけど。

だが、QTEまみれでも評価の高いゲームはある。QTEの元祖と言われるシェンムーや、ヘヴィレインなどがそうだ。QTEを入れただけで不評になるわけではなく、使い方や使いどころに問題があったわけだ。

な、なんだか今回のレビューは(珍しく)深いね! どういうことなのか、具体的に説明お願いします!

例えば、主人公が持っている銃を、敵の兵士が奪おうとするシーンがある。
両者が取っ組み合いになり、もみくちゃになっている時にQTEが発生する。

「✕ボタンを連打しろ」という表記に従い、ガチャガチャとボタンを連打する。
恐らく、「銃を取られないために抵抗する」ことを表現したQTEだろう。

問題はこの先。見事連打に打ち勝ち、QTEに成功しても、結局敵に銃を取られている

えー……何それ。ちなみに、連打しなかった場合はどうなるの?

あ、それは試してなかった。悪い悪い。

オイッ!!

というわけで、再びニューゲームで試してみたところ、連打しなかった場合でも展開は全く同じだった。

しっかりオチを用意してる辺り、抜け目ないですねーさすがですねー。

下準備の甘さを褒める形で責めるのやめてください……。

話がそれてしまったが、要するに「それ、QTEにする必要ある?」と思うシーンがいくつか見受けられた、ということだ。
ゴッド・オブ・ウォーの場合、QTEの大半は派手なアクロバティックシーンに限定されており、「簡単操作で相手をブチのめす」という明確なコンセプトが存在する。
ヘヴィレインなら、「押す内容によって物語が分岐する。場合によっては、主人公が死んでも物語は終わらない」という、プレイヤーの選択がダイレクトに物語全体へ影響を与えるゲーム性を追求している。

反面、The Order 1886はどうか。
机の銃を手に取るために△ボタン、眺め回して装填数が0なことを確認するために△ボタン、外に出て檻を壊すために△ボタン……。
はっきり言ってどうでもいい操作ばかり。なんでムービーで済ませないのか。

少し前に、FFなどの大作がムービーゲーと揶揄されたせいかもしれない。だがQTEや演出だけのボタン操作は、「プレイヤーが操作に介入する」という仕様上、スキップができない。後半はどうなるのか知らないが、少なくともチャプター3までの間で、スキップできる演出は一切無かった。

中には、「会議で長ったらしい講釈を聞き、チンタラ歩き、科学者の発明品を自慢されるだけのチャプター」すらある。まるまる一章使って、ムービーだけで済ませられることをスキップ不可で取り入れたんだ。

うわあ……かったるい……。

QTEが嫌と言っているわけではなくてな。100人が100人、同じ画になるようなシーンばかり押し付けるなと。一本道とか、演出ゲーだからとか、そういったレベルを超えたかったるさだ。ダッシュ禁止で強制的にダラダラ歩かされるエリアも多いしな。

意味もなくゆっくり歩いて、作りこまれた街を堪能したいって気持ちもある。だが、それくらいこっちの好きにやらせろよ。ある程度眺めて、よしそろそろ……と思ったら走れないって、そりゃあないでしょうよ。

もしかしたら、開発者は「ここで猛ダッシュされると不自然だ」と思ったのかもしれないけどね。物語への没入感を重視したのが裏目に出たのかな。

だとしたら大失敗だな。結局「いつになったら走れるんだ」ってイライラを我慢しながら歩いているから、没入感はむしろ削がれる一方だし、あまりにノロマすぎるから、寄り道して街を観察する気にもなれない。何を思って強制歩きにしたのか知らないが、もし没入感や「作りこみを見てくれ」アピールなんだとしたら、あまりのバカさに辟易する。

口の悪さに辟易しますけどね、こっちは……。

戦闘はハイスピードなものの、いまいち新鮮味に欠ける

では、戦闘はどうかと言われると、こちらはそんなに悪くない。
上下の黒帯のせいで視認性こそ悪いが、そんなに上下をひっきりなしに確認したくなるものでもないため、慣れれば許容範囲である。

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▲操作中でも常に黒帯が表示される、サイコブレイクと同じ仕様。この画像でも「階段の方から敵は来ていないか見づらいなあ」とは思うものの、対戦ゲームではないのでそこまでストレスはない。

モーションもカッコよく、エフェクトも派手。決して人外な動きこそしないものの、イギリス人っぽい優雅な動きで戦ってくれる。
特に、一定時間スローになるブラックサイトでは、流れるような動きで次々と敵を倒していけるため、かなりスタイリッシュ。

が、それだけのゲームだな。見栄えがいいってこと以外は特筆すべき点がない。

壁やトーテムに隠れて、顔を出して撃つ。何年も前から使い古されたものだ。The Order だからこそ、と言えるような体験は何もない。TPSとしては本当に凡作だ。画的にやたらとリアルなだけ。

まとめ

画質以外は本当に何も良いところが無いどころか、どうでもいい演出の押し付けが酷すぎて「もう映画作ったら?」って思いました。

まあ、戦闘が単調なのは序盤だからだと思いたいけどな。このまま終盤まで何も要素が追加されないのなら、ただでさえ短いストーリーをクリアする前に飽きてしまう。

今後のプレイに期待……と言いたいところだけど、もう続ける気力が無さそうに見えるのは気のせいかな?

気のせいじゃないよ。「いずれ面白くなる。大丈夫だ」と思いながら、最後までつまらないままだったなんてゲームは、もうバイオハザード6で懲りたんだよ!!!

あちゃー遂に名指しまでしちゃったか……。強制的に歩かされるとか、必要性を感じないQTEとか、共通するところはあるなあと思ってたけど。

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▲カプコンが失墜する原因の1つともなった「バイオハザード6」。キャラを大きく見せ映画的なゲームにしたいという開発のこだわりがあったが、キャラで画面が隠れて狙いづらいという大ブーイングをもらったあたり、やはり似通っている部分はある(ちなみに、批判を受けたため、後日アップデートでカメラの位置を調整し、見やすくなった。こだわりが空振りした例である)。

バイオ6を知っている人は、あれと同じだと思ってもらえれば話が早い。もう、筆舌に尽くしがたいほど悲惨なゲームだったからな、6は。知らない人は……ごめんね。値段も安いから、ゲーム作ってる人は反面教師のつもりで遊んでみてもいいと思う。嫌味なしで、プレイヤーへのストレスについて参考になると思うよ。

失敗したら即死のQTEも酷かったけど、成功しても結局あんま変わらないってのも共通してるよね。

失敗すると、乗っていたヘリが墜落。成功すると、派手にビルに激突した挙句に放り出されて落下、とかあったからな。失敗で飛行機が海に墜落、成功で道路に墜落とかもあったか。

ほんと、何考えているんだろうね、あの展開。

結局、シナリオを考えたあとに「さて、どこにQTE入れようかなあ」って考えているせいだろう。The Orderの例の場合「敵兵士に銃を奪われてー」というシナリオが先に仕上がっていて、後からQTEを追加したから、成否があまり関係ないような後付け感が出てるんじゃないかな。

搭載されている全ての要素に理由がある。流行りだから、今まで作ってきた作品がそうだからなんて理由だけでシステムを無闇に追加すると、「高級な素材をグチャグチャにかき混ぜたゲテモノ」が出来上がるってことだ。別に珍しいことじゃない。こういうゲーム、よく見かけるよ。

だからこそ、さっさと見限って他のゲームやってたいなあって思う。つまらない思いをしてまでゲームしたくないもんね。楽しむためのゲームでしょ。

作り込みを見てほしいって開発の気持ちは分からないこともないけど、好きな時にさせてほしいってプレイヤーの気持ちも汲んでほしいよね。私もシェアプレイで遊ばせてもらったけど、結局、好きなだけ自由に走り回れるブラッドボーンの方が、細部まで作りこみを堪能したくなったし、慎重に歩きたくもなったよ。

あのゲーム、敵が強いから、走れるエリアでも忍び足で進みたくなるもんな。プログラムで動きを制限するのではなく、歩きたいと思わせる工夫を考えてもらえると良かったな。どうしても歩いてほしいのならね。

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3件のフィードバック

  1. 時雨時 より:

    発売前から面白そうかな……なんて思ってたけど買ってなかったゲームなのですが、どうしようかなぁ…………
    最近のゲームのQTE推しは確かに鬱陶しい気がしますね、良いタイミングで入って展開が変わってくれるなら簡単で分かりやすい良いシステムなのになぁ…………

    • 弓猫 弓猫チャンネル より:

      同じく、発売前はPVを見て、その完成度の高さに「面白そうだな」と思っていましたが、少々残念な思いをさせられました。中古価格は安めなので、余裕がある時にお試しのつもりで買ってみてもいいかもしれませんね。あまり強くオススメはできませんが……画質の体験は素晴らしいです。

      QTEも善し悪しがはっきり分かれますよね。結局は「プレイヤーのストレスになるかどうか」なのだと思います。

  2. cigerholick より:

    いつも楽しく拝見させて頂いております。

    色々なサイトで様々な言葉でこき下ろされ、
    さらに弓猫さんでも駄目だしされていたので、逆に興味を惹かれ
    3割引セールのタイミングでDL、プレイしてみました。

    いやあ、トロコンしましたけどほんと、「褒めるところはグラフィックだけ」の
    “毒にも薬にもならないけれど随所でこちらのストレスを溜めてくるゲーム”
    という感想を持ちました。

    題材としては秀逸ですしシナリオも良いと言えば良いんですが、
    最高の素材を使って作った料理がそびえ立つナントカの山になる、
    そんな話を地で行っているような気がしないでもないですねえ。

    個人的には
    ▼ブラッドボーンに注力したいが為に時期を早めて、半ば調整も無く発売された
    ような邪推をしてみたくなりました。

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